それぞれの理想

前回の記事で、電通関西支社 インタラクティブ・コミュニケーション局長、
秋山隆平氏の著書を引用しながら「バーチャルなイメージ」についてまとめてみました。


この「バーチャルなイメージ」は、私は「理想」という言葉で置き換えられるのだと思います。


資本主義には、資本主義の理想があり、
共産主義には、共産主義の理想があり、
トヨタには、トヨタの理想があり、
日産には、日産の理想がある。


他の観点では、
日本には、日本の理想があり、
アメリカには、アメリカの理想があり、
東洋文明には、東洋文明の理想があり、
家庭Aには、家庭Aの理想があり、
家庭Bには、家庭Bの理想がある。


それぞれの共同体には、それぞれの理想があり、
その理想の実現に向かって、
その集団を形成する構成員が、「祈り」を通じて「理想の具現化を目指す」のが宗教であり、
その集団を形成する構成員が、「組織化、体系化、戦略・戦術の策定、実行」を通じて「理想の具現化を目指す」のが企業であると言えます。


例えば、
ナポレオンが志す究極の理想の世界と、
坂本竜馬が志す究極の理想の世界は、
時代や環境が違っていても、それほど大差はありません。


誰しも究極の理想は、個人も全体も、全てが豊かに平和的に共存、共栄できる状態だと思います。
(生存欲求、所有欲、認定欲求、支配欲など人間の根源的な欲求レベルを満たした時)


理想は皆同じでも、「現状」のあらゆる条件がそれぞれに異なるため、
その理想に到達するための経路、地図、道具、方法、過程など全てが異なるのは当然です。


この理想に到達するための方法論が異なるために、
国家レベルでも、企業レベルでも、家庭レベルでも摩擦、衝突が起き、
目に見えない思想の戦争、M&Aなどの経済の戦争、そして目に見える武力衝突までもが起きていると分析できます。