第三段階 都市革命

農耕を始めた人類は、次第により大きな生活共同体を作るようになります。
そこで、より高度な共同体秩序と、知恵と力を結集させた社会システムを生み出していきます。


バラバラに生活を営んでいた家族、氏族、部族集団が、より大きな一つの大きな地域に集まるようになり、それが近代国家につながる、都市国家の誕生となります。


歴史的には、紀元前4000年のシュメール文明の都市国家郡が、その原形と思われます。

「都市革命」は、「農業革命」の延長線上として進化発展して誕生した変化で、必然的に、人々が定住している大きな河の周辺で起こるという共通条件があり、それが、一般的に言われる四大河文明となります。


都市革命のプロセスにおいて、
それまでの農耕文化の時代の人類とは明確に異なる動きが出てきます。


まず一つは、人間集団の規模が劇的に大きくなり、人口が密集する事で、
農耕の発達により、余剰作物が生まれ、共同体の構成員の中に、
直接農耕に従事しなくても生きていける「都市民」と呼ばれる存在の誕生です。


人間集団の規模拡大に伴い、
その集団内において、明確な社会階層と階級分化が生まれ、
その共同体内での共通ルールとして、ハンムラビ法典のような法体系が生まれました。


このようなプロセスを経て、王や貴族、神官などが社会身分として誕生し、
「統治する側と統治される側」という秩序が生じるようになります。


その秩序は固定化され、インドではカースト制度となり、
現代にまで続く深刻な身分制度の起源となっています。


この時期に「財産」と言う概念も誕生してきますが、
貝や穀物、家畜等の原始貨幣、自然貨幣だけではなく、
人間が人間を所有、使用、支配する奴隷制度が明確に出現し、
歴史上初めて「人間自体が財産であり、所有の対象である」という概念が定着しました。