第五段階 自然の力と機械の力を操る知恵の獲得

科学技術革命は、宇宙自然の存在や力の法則、仕組みを明確に人間の理性で理解していき、その結果、隠された自然の力を発見して、それを人間の意志で利用、活用するという、それまでの地球の歴史上にはなかった重大なターニングポイントを引き起こしました。


そして、自然の法則を明らかにした様々な学問の発展は、それを応用、実用化する段階に移行して、科学技術の革命的進歩をもたらす事になります。


こうして、近代科学の父、ニュートンが生まれた国、イギリスにおいて産業革命が起こり、自然の力と機械の力を操る知恵を獲得した人々は、その力を様々な分野に応用して、自らの力を拡張していく歴史が始まります。


この知恵をいち早く活用し、自然の力と機械の力を操るための「工場」を建設し、資本を蓄積する活動に着手できたのが資本家であり、工場労働に従事する労働者との間で、資本家と労働者という支配する側と支配される側の図式が生まれ、支配される側の労働者には過酷な境遇が発生しました。


この支配の図式は、ナポレオン以降高まってきた各国の民族主義的精神と重なり合いながら、国民国家間での激烈な衝突を生み出しいくことになります。


その象徴が、資本、土地、資源、労働力をめぐり、
人工的に線引きされて分割支配されたアフリカ大陸であり、
西洋列強の植民地争奪の歴史、戦争の歴史へと進んでいきます。